Home参考書・辞典・資格・語学連載コラム金田一先生の日本語のココロ第12回 「音位転換と倒語」

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金田一先生の日本語のココロ

第12回 

[2010年03月17日 公開]

「音位転換と倒語」

金田一 秀穂

金田一先生の日本語のココロ

 

『現代新国語辞典改訂第四版』P.985より

 「だらしない」という語がある。近世語の「しだらない」が変化した語だ。
「しだら」は、事のいきさつ、ひどい有様などの意で、「ふしだら」という語に残っている。
「あたら(新)しい」も、奈良時代には「あらたし」であったが、平安時代に「あたらし」になった。「あら」は「新た」という語に残っている。
このように、一語中の音の位置が変わってしまう現象を「音位転換」または「音位転倒」という。

 さんざか(山茶花)→さざんか
 手持ちぶさた→手持ちぶたさ
 ちゃがま(茶釜)→ちゃまが
 はらつづみ(腹鼓)→はらづつみ
 おさわがせ→おさがわせ

などがその例であるが、最近若者の間では「雰囲気」を「ふいんき」と読む例が増えているという。原因としては、しゃれで言ったものが定着(だらしない)、発音しやすさ(さざんか・ちゃまが)、記憶の不確かさ(雰囲気など)があげられる。(なお、「だらしない」「あたらしい」「さざんか」以外は誤用)

 外来語でも、原語に対する知識不足や発音のしやすさから、
 シミュレーション→シュミレーション
 フェミニズム→フェニミズム
のように、誤用が起こりやすい。

 ない、隠語に多い「たね(種)→ねた」「ばしょ(場所)→しょば」「しろうと(素人)→とうしろ」のように、音の位置を変えて作った言葉を「倒語」という。

『学研現代新国語辞典 改訂第四版』

学研現代新国語辞典 改訂第四版

言葉や漢字の微妙な使い分けが明快な総合国語辞典。基本語から新語やカタカナ語、アルファベット略語などまで豊富に、74,000語を収録。時代のながれにに対して、広く柔軟に対応した辞典で、高校生から一般まで広く役立つ辞典。金田一春彦、金田一秀穂 編。

『学研現代新国語辞典 改訂第四版』

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