Home参考書・辞典・資格・語学連載コラム子どもの可能性を引き出す アメリカ最新教育事情第19回 英語の文法力の身につけ方

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幼児小学生

子どもの可能性を引き出す アメリカ最新教育事情

第19回 

[2011年05月18日 公開]

英語の文法力の身につけ方

織井弥生

アメリカの学校では、英語の文法はどのように教えられるのでしょうか?
日本人の文法力は、アメリカで通用するものでしょうか?
今回は、英語の文法力の身につけ方についてお伝えします。

恐れずに書くことを重視

小学校2年生の長男が通う小学校では、毎朝3分間、言葉の領域のミニドリルをします。
これは、小学校1年生のときから続いている日課です。
文法、語彙、発音、スペリングを中心とする5問程度の小問題が1回分になっています。
例えば、次のような問題が出されます。

<誤りの修正>
Correct the sentences. (誤っている箇所を正しく直しなさい)
1.does you have a pet hamster
2.mrs. Smith rided a bus
(正解)
1.Do you have a pet hamster?
(文頭を大文字にする、主語youに伴いdoes をdo に変える、クエスチョンマークをつける)
2.Mrs. Smith rode a bus.
(文頭を大文字にする、rided の正しい過去形rode にする、文末にピリオドを打つ)

<文の種類1>
Find the sentence. (文章が正しいものを見つけなさい)
To play ball.Down the street.The kitten went up a tree.
(正解) The kitten went up a tree.(主語と述語の文型が成立しているものを選びます)

<文の種類2>
Is this a statement or a question? (陳述文ですか、疑問文ですか)
Can you tell me what time it is?
(正解) Question.(陳述文・疑問文・命令文の区別を問う問題は、低学年では頻繁に扱われます)

<比較級>
Choose the right word. (正しい言葉を選びなさい)
Is a turtle (slow, slower, slowest) than a snail?
(正解) slower(比較級ですから、slower を選びます)

<発音>
Which word have the different ending sound? (最後の音が違うものはどれですか)
benchreachsockditch
(正解) sock

まるで日本の中学校の英語テストのようだと思われる方も多いかもしれません。
文法上の誤りを見つけて修正する問題は、主語と述語の一致、時制の一致、動詞の活用、大文字・小文字の使い方など、広い領域から出題され、中にはうっかり見落としてしまいそうなものもあります。

この朝ドリルでは、パターンの似た問題が何度も繰り返し出題されるので、子どもたちは自ずと知識を習得していきます。
そして、Reading(読書)と相まって、応用力と運用スキルを高めていくことが期待できます。

かろうじて母国語が日本語である私の長男であっても、連日このような訓練を受けることにより、アメリカ人の子どもと全く差異のない英語力をつけています。
(「かろうじて」と書きましたのは、実は本人にとっては、日本語よりも英語のほうが楽な言語なようですが、家庭では、日本語を使うことを親に強く指導されているため、日本語を母国語として維持しているという状況にあるからです。我が家を例とするバイリンガル教育の実態については、また機会を見つけて書かせていただきます。)

Language Arts は英語の「国語」

アメリカの学校にはLanguage Arts と呼ばれる科目があり、これは日本の「国語」に相当するもので、英語の読む・書く・話す・聴くの全般が扱われます。

文法もLanguage Arts に含まれており、小学校低学年から、主語と述語、代名詞(I, my, me, mine, you, your, you, yours,…)、動詞(不定詞、動名詞を含む)・形容詞・名詞(学年に応じた語彙)、疑問文(Where, Who, When, How, Which,…)、受動態と、少しずつ段階的に学習していきます。

とはいえ、アメリカの子どもは日常生活の中でこれらの文法知識を知らず知らずのうちに蓄えているわけで、学校ではそれらを体系的に整理し正しく運用できるように定着させることが主眼だと考えられます。
それは、日本人の子どもが日本語を普段の環境のなかで習得し、学校の授業で国語の文法は知識の整理として扱われるのとまったく同じです。

小学校高学年や中学校でも、文法は、Language Arts の授業のなかで、関係代名詞(who, whom, which, that, whose, what)、関係副詞(when, where, wh,y how)、複合関係詞(whoever, whichever, whatever, whenever, wherever, however)、修飾・被修飾関係などと個別に取り上げて演習します。
より高度な言語表現が必要となる高校、そして大学における学習の基礎として、文法をしっかりと固めておくことはアメリカ人にとっても非常に重要なことです。
しかし、アメリカの学校では、日本の文法の授業ほど、文法を詳しく説明してはいません。

日本の子どもが、日本に居ながらにして、アメリカ人の子どもたちが使うのと同じドリル類で英語力をつけることは十分に可能です。
アメリカ製の英語ドリルは、色やイラストが多用されていて楽しいものが多く、日本の子どもたちにも十分に取り組める内容です。
日本のアマゾンでも入手できますので、いくつかご紹介します。

小1のLanguage Arts (英語の文法、語彙等) ワークブック・・・子どもが楽しく取り組めます


長男の学校で毎朝使っている1st GradeのLanguage Arts ドリル
(注: 日本の家庭での使用にはあまり適さないかもしれません)



2nd GradeのLanguage Arts こちらは大手学習塾Sylvanによるワークブック・・・日本の子どもも楽しく学べます


3rd GradeのLanguage Arts

日本人に重要な日本的な英語文法の学習

日本人が英語をマスターする方法はいろいろありますが、私の経験からは、日本の中学・高校で学ぶ文法の勉強は非常に重要であり、文法をしっかり学んでいるかどうかが、将来習得できる英語のレベルを左右するといえると思います。

英語の新聞記事を読んだり英語のテレビニュースを聞いたり、また、アメリカ人と会話をしたりEメールで連絡し合ったりするにも、文法の知識は不可欠です。
きちんと文法を理解していれば、内容を理解し、そしてコミュニケートする英語のレベルをぐっと引き上げることができます。
文法力がありませんと、必然的に、理解したり表現したりできる英語が限定されてしまうので、結局は英語力が成長せずにとどまってしまうのです。

例えば、雑誌、新聞、インターネットなどの英文記事を読む場合、個別の文章の構成や、指示語や関係節の内容など、文法の知識が無いと理解できないことはたくさんあります。
英語圏の大学や大学院に留学する場合でも、正しく幅広い文法の知識を備えていませんと、圧倒的な量と質の教科書を読むことも、レポートやテストなどで求められるレベルの文章を書くことができません。
単語は辞書を使えばその場その場で対応することができますが、文法が絡むものは、その都度調べているわけにはいきません。
英語で外国人と話したりEメールで連絡し合ったりするときも、きちんとした英語で意思伝達できることは、誤解を避けられるだけでなく、相手から信用される条件のひとつです。

日本人が英語の文法を身につけるには、中学から高校時代に、一生懸命に英語の勉強をすることが一番の近道だと私は確信しています。
日本の学校では、英語の授業は文法がメインだといってもいいほど、時間を割いて丁寧に教えてくれます。
授業をしっかり聞き、自分で基礎からハイレベルなものまで問題集でしっかり勉強すれば、かなりの文法力がつきます。

後に、欧米の大学に留学しようと考えたとしても、大学に入ってから文法の勉強をしている時間はありません。
社会に出てから海外の仕事をしたいと希望しても、そこから英語の文法をやり直すのでは、時間的にも金銭的にもとても非効率です。
将来何らかの形で英語が関わる道に進もうと思うなら、中学・高校時代に文法をきちんと学んでおくことが絶対に必要です。

実際に私は、中学・高校時代に、かなり必死に英語の文法を勉強しました。
いつも手元に置いていたのは、「マスター英文法」(中原道喜著、吾妻書房)と「英文法解説」(江川泰一郎著、金子書房)でした。
特に「マスター英文法」は、古風な活字と、一般の参考書には無い事例が、私の好みに合い、バイブルとして使っていました。
現在、「マスター英文法」は「新マスター英文法」として聖文新社から発行されており、また、「英文法解説」は改訂を重ねてロングセラーとして安定した人気を誇っています。

(アマゾンリンク 画像つき)



私は、問題集についても、書店でマニアックなものを見つけてきては、とことん取り組むことが好きでした。
難関大学の英語の入試問題、TOEFLやTOEICの問題集もかなりこなしましたが、文法に関することだけは絶対に外さないという意気込みでやりました。
それくらい懸命に勉強して、はじめて英語力の壁をある程度動かすことができた、と感じました。
また、そのお蔭で、アメリカの大学院では教科書や資料を読んで理解することができましたし、レポート作成やテストでは、ネイティブのアメリカ人と比較してボキャブラリーの面でハンデがあったとしても、少なくとも文法的には正しく表現することでクオリティを高めることができました。
アメリカ人とのコミュニケーションにおいても、ちょっとしたことですが、例えば could, would, should 等の助動詞の使い方や時制など、文法的な知識に助けられることは多いといまだに感じます。

つまり、日本の中学・高校で学ぶ英語の文法は、立派に海外でも通用するものなのです。
むしろ、きちんと日本で英語の文法力をつけた人は、聴く・話す・読む・書くのスキルの土台ができていることになり、海外に出たとき、また、日本国内であっても英語が関係する仕事や勉強に携わるときに、大きく飛躍できる可能性をすでにつけていることになります。

せっかく日本には中学校から英語の文法をきちんと学ぶ機会があるのですから、是非、皆さんもしっかりと学習してください。
また、お子さんが中学生、高校生となったときには、「文法はしっかり勉強しておくといい」ということを伝えてあげてください。
それが、将来、英語力の成長度合いを限りなく高めることにつながります。

織井弥生 (おりいやよい)

織井弥生(おりいやよい)

幼少時6歳までをアメリカ合衆国にて過ごす。 
上智大学外国語学部英語学科卒業。
大手メーカー勤務後、日米教育委員会フルブライト奨学生として、トップビジネススクールのノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院に留学、卒業(MBA)。
エンタテインメント企業、インターネット関連ベンチャー企業等で事業企画、マーケティングに従事。
2001年より日米間を行き来し、子ども(現在現地校小6と小1)を日本とアメリカの公立・私立校に学ばせる。
現在、カリフォルニア州に在住し、教育関連のコンサルティングと執筆を行うほか、アメリカ在住の日本人の現地生活適応を手助けする「海外生活サポートサービス」代表を務めている。
訳書に「マーケティング戦略論」(ダイヤモンド社)ほか。

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